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EC指令、ニューアプローチ指令、CEマーキングの概略

EU(ヨーロッパ連合)では、多くのEC指令が発行されていますが、その中でニューアプローチ指令と呼ばれる指令が20種類ほどあります。ニューアプローチ指令の対象となる製品をEU域内において自由に流通させるためには、対象の製品が、該当するすべてのニューアプローチ指令に適合していることを製造者が宣言し、その証しとて製品に「CE」マークを貼った上で、流通(販売)を行う必要があります。

EC指令

EC指令は、EU加盟各国の規制などを整合し、主に欧州の経済を活性化するために制定された、各国共通の指令(強制ルール)です。正式名称は「欧州議会および理事会による加盟国の法近似化に関する指令」です。

ニューアプローチ指令

EUの市場を統合する上で、工業製品などの自由な流通の妨げになるのが、加盟各国がEU統合以前から独自に設けていた、製品の安全性や品質に関する規格・規則などでした。
この妨げをなくするため、EUでは1985年に、製品の安全性と品質に関する規制を平準化し、EU域内における製品の自由な流通を目的とした、欧州理事会の決議「技術的調和と基準に関するニューアプローチ」を採択しました。
この決議の後、具体的な製品分野や特性別にクリアすべき「必須要求基準」を規定したEU指令が順次定められ、加盟国はこの新しい指令に従い、矛盾のないように国内法規を整備し、EU域内共通の安全・品質基準ができました。ニューアプローチの考え方に基づいて、製品の安全性や品質などを定めた指令類を特に「ニューアプローチ指令」と呼んでいます。代表的なものとして、「機械指令」や「低電圧指令」などがあります。

EN規格

EN規格とは、European Norm(European Standards:欧州規格)の略称で、EU加盟国間の貿易・流通の円滑化と技術基準を統一するためのヨーロッパにおける「地域規格」として、制定されています。

CEマーキング

ニューアプローチ指令が適用される製品は、該当する指令と、指令ごとに必要となるすべての整合規格の要求に適合していることを宣言する証しとして、「CE」というマークを貼ること(CEマーキング)が規定されています。
CEマーキングした製品は、EU域内で自由に流通できるようになります。なおCEマーキングは、第3者認証機関の認証マークとは異なり、指令および適合規格の要求に適合していることを製造者が宣言し、自己宣言として製品に貼るものです。

注)CEマーキングは、EU加盟国以外に、次の国々でも必要です。  
・アイスランド
・ノルウェー
・リヒテンシュタイン
・スイス
・トルコ

新機械指令(2006/42/EC)

新機械指令(2006/42/EC)はニューアプローチ指令の1つで、主に工作機械や成型機など、産業用機械類に関するEU域内の法律を整合し、域内における機械類の自由な流通を目的とした指令です。一般的に、機械指令、あるいはMD (machinery directの略)と呼ばれています。 新機械指令(2006/42/EC)は、これまでの98/37/EC(旧機械指令)に代わって、2009年12月29日から適用されています。

低電圧指令(2014/35/EU)

低電圧指令(2006/95/EC)は、電気製品に関して安全を確保しながら機械指令と同様に、EU域内の法律を整合化し、製品を域内で自由に流通できることを目的とした指令です。

EMC指令(2014/30/EU)

「EMC」とは、電磁両立性(electromagnetic compatibility) を意味しています。
本来は、「電磁両立性に関する加盟国の法律の近似化のための欧州議会、ならびに欧州閣僚理事会指令」というタイトルですが、一般的にEMC指令と呼ばれています。

改正RoHS指令

RoHS指令は、電気・電子機器に含まれる特定の有害物質(6種類)の使用を制限するためのものです。
改正RoHS指令の適用が2013年1月から開始されており、旧RoHS指令は廃止されました。
参考に、新旧のRoHS指令No.と正式名称を記します。

RoHS指令の目的は、廃棄された電気・電子製品の不法な埋め立てなどによって有害物質が漏れて、地下水を汚染したり、人の健康に影響をおよぼしたりすることを防止するために、有害物質の使用を制限し、正しく再生・処分されるように支援することです。対象となる製品は、AC1000V/DC1500V以下の定格電圧を持つすべての電気・電子機器です。

1.RoHS指令の規制物質
EU域内で販売・流通される電気・電子機器には、その製品に含まれる次の有害6物質の使用が禁止されています。(最大許容値以下の含有量でなければなりません。)

2.RoHS指令の規制内容(製品へのカテゴリ分類)
上記6物質の使用が禁止される対象製品の分類(カテゴリ)と代表的な製品例を示します。

3.改正RoHS指令が適用される期日、または旧RoHS指令によって既に適用されている期日

4.RoHS指令の対象除外品
RoHS指令の対象除外品は、軍事用に設計・製造された機器や、RoHS指令対象外の製品に組み込まれた機器などがありますが、詳細はこの指令の原文をご確認ください。

5.CEマーキング
新たにCEマーキング制度が適用され、RoHS指令の適用日後は、EU域内で販売される前にCEマークを貼付しなければなりません。また、その技術文書やEU適合宣言書は、10年間の保管が必要となります。

※詳しくはPDFファイルをご参照ください